親が転倒して骨折した、あるいは病気で入院してから急に動けなくなった——そんな出来事をきっかけに、「このまま寝たきりになってしまうのでは」と不安を抱えるご家族は少なくありません。
実は、寝たきりは突然起こるものではありません。転倒・廃用症候群・低栄養など、いくつかの「きっかけ」が重なって進んでいくことがほとんどです。
しかし、適切なタイミングで医療・介護・リハビリを組み合わせれば、進行を遅らせたり、在宅での生活を長く続けたりすることは十分に可能です。
この記事では、寝たきりを防ぐ・支えるための7つのポイントを、ごうホームクリニックの訪問診療の視点からわかりやすくお伝えします。
🎧 この記事の元になったpodcast
ごうホームクリニックでは在宅医療・介護の知識をpodcastで配信しています。本記事のテーマをpodcastで詳しく解説していますので、あわせてご視聴ください。
目次
■本記事の要点
本記事の核となるポイントです。
- 転倒予防が寝たきり化を防ぐ最初の一手になる
- 廃用症候群は「安静にしすぎ」から始まる悪循環を生む
- 訪問診療と多職種連携で在宅生活の継続をチームで支える
- 通院困難かどうかが訪問診療の対象を判断する主要件である
- ごうホームクリニックは24時間365日、名古屋市全16区と近郊に対応する
■ポイント1:寝たきりになる「きっかけ」を知る
寝たきりは、ある日突然始まるわけではありません。多くの場合、転倒による骨折・脳卒中・肺炎などの疾患が引き金になります。そこに長期入院や過度な安静が重なり、筋力や体力が急速に落ちていきます。
特に注意が必要なのは「廃用症候群」です。これは、安静にしすぎることで全身の機能が低下する状態を指します。たとえば、1週間の寝たきりで筋力は大きく低下するとも言われています。つまり、「安静が一番」という考えが、かえって回復を遅らせることがあるのです。
また、寝たきりへの移行は本人だけでなく、ご家族にとっても大きな生活の変化をもたらします。そのため、きっかけとなる出来事を早めに把握し、対策を講じることが非常に重要です。

■ポイント2:転倒を防ぐ住環境の整え方
転倒は、寝たきりへの最も多い「入り口」のひとつです。骨折(特に大腿骨頸部骨折)を起こすと、手術・入院・リハビリという長い道のりが必要になります。なぜなら、高齢者は回復に時間がかかり、その間に筋力がさらに低下しやすいからです。
自宅での転倒予防には、次のような住環境の見直しが有効です。
- 段差の解消:玄関・廊下・浴室の段差をできるだけフラットにする
- 手すりの設置:トイレ・浴室・階段の横に手すりをつける
- 照明の確保:夜間のトイレ移動時に足元が暗くならないよう足元灯を設置する
- 履物の見直し:かかとが固定されないスリッパは転倒リスクが高い
これらの住宅改修は、介護保険を使って一部費用を補助してもらえる場合があります。ケアマネジャーに相談してみましょう。
■ポイント3:廃用症候群を防ぐ「動かし方」のコツ
廃用症候群を防ぐためには、「寝ているだけ」の時間をなるべく減らすことが大切です。しかし、無理に動かすのも禁物です。まず、本人の状態に合わせた「小さな動き」から始めることが重要になります。
たとえば、ベッドの上で手足を動かすだけでも、血行の改善や筋力の維持につながります。続いて、座位(ベッドの端に座る)を保つ練習を行い、徐々に立つ・歩くという段階を踏んでいきます。
一方で、無理な運動は転倒や骨折のリスクを高めます。そのため、訪問リハビリの専門職(理学療法士・作業療法士)と相談しながら進めることを強くおすすめします。ごうホームクリニックでは、訪問リハビリの専門職と連携し、在宅での安全なリハビリ計画を一緒に考えます。
■ポイント4:栄養と水分で「体の土台」を守る
寝たきりの方が見落とされがちなのが、栄養と水分の問題です。食欲の低下・飲み込みのしづらさ(嚥下障害)・歯の問題などが重なり、十分な栄養が摂れていないケースが多くあります。
低栄養は筋肉の減少(サルコペニア)を加速させます。つまり、食べられないことが、さらに動けなくなる悪循環を生み出すのです。また、脱水も意識レベルの低下や転倒リスクを高めます。
具体的な対策としては、以下が挙げられます。
- 1日の食事量・水分量を記録し、変化に気づく
- とろみ剤を使って飲み込みやすくする
- 高カロリーの栄養補助食品(ゼリー・ドリンクタイプ)を活用する
- 訪問歯科や訪問栄養士と連携して口腔ケアと食形態を見直す
なお、食事の問題が続く場合は、早めに訪問診療医に相談することが大切です。
■ポイント5:精神的な「生きる意欲」を支える関わり方
身体的なケアと同様に、精神面のサポートも寝たきり予防に欠かせません。長期間の療養生活は、意欲の低下・不眠・抑うつ状態を招きやすいです。実は、こうした精神症状が「動かない→筋力低下→さらに動けない」という悪循環をさらに加速させます。
ご家族ができることとして、まず「声かけ」があります。毎日の短い会話が、本人の意欲を維持する大きな支えになります。加えて、好きなテレビ番組を一緒に見る・以前の趣味の話をするなど、楽しみの時間を作ることも有効です。
しかし、ご家族だけで精神面を支えることには限界があります。そのため、訪問診療や訪問看護のスタッフが定期的に顔を見せることも、本人の安心感につながります。ごうホームクリニックでは、ご家族の「なんとなく元気がない」という直感を大切にし、精神面の変化にも目を向けた診療を心がけています。
■ポイント6:多職種チームで在宅療養を継続する
寝たきりの方の在宅生活を続けるためには、医師一人の力では限界があります。訪問診療医・訪問看護師・訪問リハビリ職・ヘルパー・ケアマネジャー・訪問薬剤師など、多くの職種が連携することで初めて安全な在宅療養が実現します。
ごうホームクリニックでは、多職種連携を医療の中心に据えています。特に、ケアマネジャーとの定期的な情報共有を重視し、生活の変化をチーム全体で把握できる体制を整えています。
また、在宅療養支援診療所として24時間365日の対応が可能です。夜間や休日に体調が急変した場合も、すぐに相談できる体制が整っています。ご家族の不安を一人で抱え込まず、チームで支えることがごうホームクリニックの基本的な考え方です。
■ポイント7:訪問診療の利用を検討するタイミングと方法
「訪問診療はもっと重症になってから」と思われている方も多いですが、実はそうではありません。訪問診療の対象は、疾患や身体状況により通院が困難な方です。要介護の認定区分そのものが対象条件ではなく、「一人での通院が難しいかどうか」が判断の基準になります。
以下のような状況が見られたら、訪問診療の相談を検討してみてください。
- 通院のたびに体力的な負担が大きく、本人がつらそうにしている
- 病院への移動に毎回介助が必要になった
- 退院後、自宅での療養管理が難しくなった
- 転倒や体調変化への不安から外出を控えるようになった
ごうホームクリニックは、名古屋市16区に加え、日進市・東郷町・豊明市・刈谷市・知立市を訪問エリアとしています。「うちの親は対象になるの?」と迷ったときは、まずお気軽にお問い合わせください。状況をお聞きした上で、一緒に適した方法を考えます。
■よくある質問(FAQ)
ご家族から訪問診療の現場でよくお寄せいただく質問をまとめました。
◎Q1. 寝たきりになりやすい病気や状態はありますか?
脳卒中・骨折・肺炎などが代表的です。また、長期入院後の筋力低下(廃用症候群)も大きな要因です。早めに訪問診療やリハビリを取り入れることで、進行を抑えやすくなります。
◎Q2. 転倒を防ぐために自宅でできることはありますか?
まず、段差の解消や手すりの設置など住環境の整備が有効です。加えて、滑りやすいスリッパを見直し、夜間の照明を確保することも大切です。ケアマネジャーに相談すると住宅改修の制度を紹介してもらえます。
◎Q3. 要介護認定がなくても訪問診療は使えますか?
訪問診療の対象は、疾患や身体状況により通院が困難な方です。介護度は主要件ではなく、通院できるかどうかで判断されます。まずごうホームクリニックにご相談ください。
◎Q4. 寝たきりの親の栄養管理はどうすればよいですか?
食事量の低下や飲み込みの問題(嚥下障害)が多く見られます。訪問診療医や訪問栄養士と連携し、食形態の調整や栄養補助食品の活用を検討するのが有効です。
◎Q5. 訪問診療と往診の違いは何ですか?
訪問診療は、あらかじめ計画を立てて定期的にご自宅を訪問する医療です。一方、往診は急変時など緊急に駆けつける対応を指します。ごうホームクリニックは両方に24時間365日対応しています。
◎Q6. 寝たきりの方のリハビリは在宅でも受けられますか?
はい、訪問リハビリとして理学療法士や作業療法士が自宅を訪問します。ベッド上でできる運動から、起き上がり・移乗動作の練習まで、段階に応じたリハビリが可能です。
📞 お気軽にご相談ください
訪問診療についてのご質問・ご相談を承ります。まずはお話をお聞かせください。
ごうホームクリニック
〒468-0015 愛知県名古屋市天白区原1丁目1410 サンモール原103
TEL: 052-803-5005 / 受付: 平日 8:30〜17:30

ごうホームクリニック
院長 伊藤剛

