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骨折は連鎖の入口|寝たきりを防ぐ3つの分岐点|名古屋の訪問診療

「母が大腿骨を骨折して、もう歩けないかもしれない」。名古屋で訪問診療を続けるごうホームクリニックには、ご家族からこうしたご相談がよく届きます。

実は、高齢の方の骨折は単独の出来事ではありません。歩けない→外出が減る→食欲が落ちる→低栄養→筋力低下→寝たきり、という連鎖の入口です。さらに寝たきりになれば、誤嚥性肺炎や褥瘡のリスクも一気に増えます。

しかし、この連鎖は3つの分岐点で断ち切ることができます。退院直後・1〜2か月後・半年後、それぞれの時期にやるべきことを押さえれば、骨折前の暮らしに近い形で在宅生活を続けられる可能性があります。

この記事では、ごうホームクリニックが訪問診療の現場で大切にしている「骨折後の連鎖を断ち切る視点」を、3つの典型ケースとQ&Aでお伝えします。

🎧 この記事の元になったpodcast

ごうホームクリニックでは在宅医療・介護の知識をpodcastで配信しています。本記事のテーマをpodcastで詳しく解説していますので、あわせてご視聴ください。

■なぜ高齢の方の骨折は「連鎖の入口」になるのか

◎骨折→寝たきりへの連鎖をイメージする

高齢の方が骨折されたあと、何もしなければどんな経過をたどるか。これは私たち訪問診療医が現場で繰り返し見ている、典型的な連鎖です。

  • 歩けない:痛みと不安で動かなくなる
  • 外出しない:人と会う機会が減り、声を出さなくなる
  • 食欲が落ちる:活動量が下がり、お腹も空かない
  • 低栄養:たんぱく質不足で筋肉がさらに減る
  • 筋力低下:起き上がる力すら奪われる
  • 寝たきり:誤嚥性肺炎・褥瘡・認知症進行のリスクが連鎖

厚生労働省の令和4年(2022年)国民生活基礎調査によれば、介護が必要となった主な原因のうち「骨折・転倒」は、認知症・脳血管疾患(脳卒中)に次ぐ第3位(13.9%)を占めています。さらに、要介護4の方に限ると第2位(18.7%)にまで上昇します。

つまり、要介護度が重くなるほど、骨折のインパクトが相対的に大きくなる、ということです。骨折は、要介護状態への入口であると同時に、寝たきりへの加速装置でもあるのです。

骨折 在宅 名古屋|ごうホームクリニック 本文イメージ

◎連鎖を断ち切る3つの分岐点

ごうホームクリニックは、この連鎖を断ち切るために、3つの時期それぞれに「分岐点」があると考えています。

  • 退院直後(1〜2週間):ベッドから起き上がる、座る、立つを取り戻す時期
  • 1〜2か月後:「リハビリを続けるか諦めるか」が分かれる時期
  • 半年後:自立度が確定する時期、その手前で食い止めたい

それぞれの分岐点で、訪問診療医・訪問看護師・理学療法士・ケアマネ・福祉用具専門相談員が連携することで、ご家族だけでは抱えきれない局面を一緒に乗り越えられます。

◎よくある誤解:「もう骨折前には戻れない」

「もう一生、杖なしでは歩けない」とご家族から伺うことがあります。たしかに、骨折前と完全に同じ状態に戻ることは難しい場合もあります。

しかし、「歩く」を取り戻すことと「自立した生活」を取り戻すことは別です。福祉用具を組み合わせ、自宅環境を整えれば、ご本人らしい暮らしを続けられるケースは少なくありません。

なお、骨折後に伴って起こりやすい低栄養や誤嚥性肺炎については、訪問診療で名古屋の在宅医療|誤嚥性肺炎ケアもあわせてご覧ください。

■分岐点1|退院直後|「立つ」を取り戻す時期

◎病院ベッドから自宅ベッドへ、最も危ない時期

大腿骨頸部骨折で手術された方が退院されるとき、もっとも危険なのは「退院直後の数週間」です。なぜなら、病院では理学療法士の介助があったリハビリも、自宅では一気にご家族の負担になるからです。

そのため、ご家族が「痛そうだから動かさないでおこう」と判断され、結果として動かない時間が増えてしまうことがあります。

◎訪問診療医が初回訪問でお伝えしていること

ごうホームクリニックでは、退院直後の初回訪問で、ご家族に次のことをお伝えしています。

  • 痛みを我慢させない(鎮痛薬の調整は遠慮なく相談を)
  • 1日1回でよいので「座る」「足を床につける」を続ける
  • 食事と水分の量を毎日記録する
  • 痰がからむ・微熱が出るときは早めに連絡

つまり、無理をさせるのではなく、「動かない時間を短くする」ことが分岐点の核心です。

◎多職種で組む早期離床のチーム

訪問診療医・訪問看護師・訪問リハビリ(理学療法士)・ケアマネ・福祉用具専門相談員が、退院前から連携をスタートします。

退院前カンファレンスに私たちが参加することで、入院中の状態を引き継ぎ、自宅での生活動線に合わせたリハ計画を組み立てます。

■分岐点2|1〜2か月後|「続けるか諦めるか」の分かれ道

◎ご家族が疲弊し始める時期

退院から1〜2か月が経つ頃、ご家族にも疲れが出てきます。「思ったほどリハビリが進まない」「自分の時間がない」という声が増えます。

この時期に最も多いのは、「リハビリを諦めて、寝かせきりにしてしまう」という流れです。これが寝たきりへの最大の分岐点になります。

◎ごうホームクリニックが大切にしている3つの確認

この時期、私たちは訪問のたびに次の3点を確認しています。

  • 筋力:ベッドの端に座れているか、立つ姿勢を何秒保てるか
  • 栄養:体重が落ちていないか、食事量は維持できているか
  • 意欲:「外に出たい」「人と会いたい」という言葉が出てくるか

これらが落ち始めたら、リハ計画を見直すサインです。なお、低栄養と筋力低下の悪循環は、骨折からの回復を最も妨げる要因です。

◎要介護度の区分変更申請という選択肢

退院前の要介護度のままだと、必要な介護サービスが足りなくなることがあります。そのときは、市区町村の窓口で区分変更申請を行うことで、要介護度の見直しが可能です。

ごうホームクリニックでは、訪問時にご家族と相談しながら、主治医意見書の準備や申請のタイミングを一緒に検討しています。

■分岐点3|半年後|「自立度が確定する」一歩手前

◎「リハビリは6か月が勝負」と言われる理由

大腿骨頸部骨折の場合、リハビリ期間は手術前後を含めて最低でも6か月が必要だとされています。この6か月で取り戻せた機能が、その後の自立度のベースになります。

つまり、半年というのは「自立度が確定する手前の最後の機会」です。

◎「歩く」がゴールではない

半年経つ頃、ご家族から「もう歩けないなら、これ以上リハビリしても意味がない」とおっしゃることがあります。私たちはそのとき、こうお伝えしています。

「歩く」だけがゴールではありません。たとえば、車椅子でも自分でトイレに行ける、自分でスプーンを持って食べられる、家族と一緒に食卓を囲める。これらすべてが、ご本人らしい暮らしを支える「自立」です。

◎福祉用具と住宅改修で支える日常

骨折後の在宅生活には、介護保険を使った福祉用具レンタルや購入が大きな助けになります。

  • レンタル可能:車椅子・介護ベッド・スロープ・歩行器・歩行補助杖・移動用リフト
  • 購入可能(年間10万円まで):腰掛け便座・入浴補助用具・移動用リフトのつり具部分
  • 住宅改修:手すり設置・段差解消・滑り止め・引き戸への変更

ごうホームクリニックでは、福祉用具専門相談員と連携し、ご自宅の動線を見て「どこに手すりが必要か」「どの福祉用具が暮らしを楽にするか」を一緒に考えています。

■典型ケース1|大腿骨頸部骨折後、退院2週間で「立てた」Aさん

Aさん(80代女性、ご長男夫婦と同居)は、自宅の浴室で滑って大腿骨を骨折され、入院・手術を受けられました。退院時、ご長男夫婦は「もう歩けないかも」と覚悟されていました。

退院翌日、ごうホームクリニックの訪問診療医が初回訪問。痛みを取る鎮痛薬の調整を行い、訪問リハビリ(理学療法士)が翌日から開始しました。

最初の1週間は「ベッドの端に座る」だけ。次の1週間は「足を床につける」を1日1回。退院2週間後、Aさんは介助つきで「立つ」を取り戻されました。

このケースで効いたのは、痛みを我慢させなかったことと、ご家族にゴールを小さく刻んでお伝えしたことです。

■典型ケース2|認知症と「連鎖」のなかで手術を迷ったご家族

Bさん(80代女性、認知症あり、要介護3、ご長女と離れて暮らす)は、サ高住で杖を使って暮らしていました。ところが3月上旬から食事を拒むようになり、検査で腸閉塞が判明、入院されました。

入院中はせん妄が出て、夜間に他の部屋に入る、放尿してしまうなど、別人のような姿に。退院して老健に移った頃には、ずっと車椅子だったため、もう立てなくなっていました。

そして数日後、尿が出ないと受診したクリニックで、大腿骨骨折が判明したのです。骨粗鬆症で、転倒なしの骨折でした。

◎ご家族の迷い:「無理に手術しても歩けるようにならない」と言われて

医師から「無理に手術しても歩けるようになる可能性は低い」と説明されたご長女は、混乱されました。歩けないなら手術しない方が良いのか、それとも痛みを取るために手術すべきか。短期間に連鎖した出来事のなかで、決められなくなっていました。

◎ごうホームクリニックがお伝えしたこと

ご相談を受けた私たちが、ご家族と整理したのは次の3点です。

  • 手術の目的を「歩く」だけに限定しない:痛みの緩和、おむつ交換・体位変換の介助負担の軽減も手術の意味になる
  • 意思決定の前にセカンドオピニオン:初診医の判断だけで決めず、骨折の専門病院で改めて評価してもらう
  • 手術しない選択もある:保存療法と緩和的アプローチで、最期まで穏やかに過ごす道もある

つまり、「手術するかしないか」の二者択一ではなく、ご本人にとっての「楽さ」と「ご家族の介護負担」を軸に並べ直すことが、私たちの役割でした。

◎「無事だった方」の事例で安心材料を増やす

ある介護現場の専門職が、ご家族に「先生に『同じような状況で、無事だった方』を選んで例として挙げてもらってはどうですか」とアドバイスしていました。これは現場の知恵として、私たちも大切にしたい問いです。

なお、認知症のある方の意思決定の進め方は、胃ろうの3つの道、家族と選ぶ|作る・作らない・やめるでも詳しく解説しています。

■典型ケース3|透析と圧迫骨折のはざまで「入院か自宅か」を選んだご家族

Cさん(70代女性、透析クリニックへ週3回通院、ご主人と二人暮らし)は、軽い尻もちで脊椎圧迫骨折を起こされました。総合病院に入院され、安静と保存療法が方針でした。

ところが、ご本人は「家に帰りたい」と入院を強く拒まれました。理由は「家でも安静にできる、入院は窮屈」。ご家族は「入院を続けると筋力が落ちて歩けなくなる」という不安と「自宅では悪化するのでは」という不安の板挟みでした。

◎安静と離床、どちらを優先するかのジレンマ

圧迫骨折の保存療法では、コルセット固定と安静が原則です。一方で、長期入院は筋力低下のリスクを高めます。さらにCさんの場合は透析通院という現実が重なりました。

ご家族から私たちに届いた質問は、「自宅療養に切り替えてもよいでしょうか」というものでした。

◎ごうホームクリニックが提示した3つの条件

私たちは、自宅療養に切り替えるなら次の3条件が揃っていることが目安だとお伝えしました。

  • コルセット採寸が完了している:固定具なしで動くと、骨折部位がさらに潰れるリスク
  • 痛みが鎮痛薬で管理できる:痛みで動けないなら入院での集中対応が安全
  • 透析通院手段の確保:歩行が不安定な時期は、車椅子対応の介護タクシーや送迎付き透析クリニックを検討

これらが整わない時期は、入院のままリハビリ介入を依頼する方が結果的に「歩く」を守れるケースが多い、ともお伝えしました。

◎「家に帰る=歩けるようになる」ではない

ご家族の中には、「入院を切り上げて自宅に戻れば、筋力低下を防げる」と考える方もいらっしゃいます。しかし、自宅でも安静で寝ている時間が長ければ、結果は同じです。

大切なのは「動かない時間を短くする環境」が整っているかどうかです。Cさんのケースでは、コルセット完成後に訪問リハビリと訪問看護を組み合わせ、入院途中からの段階的な在宅移行を選ばれました。

■ご家族からよくいただく質問|骨折後の在宅医療Q&A

◎Q1. 「手術しても歩けるようにならない」と言われました。それでも手術すべきですか?

「歩けない=手術しない方がよい」とは限りません。手術の目的は3つあります。第一に、痛みの緩和です。骨折部位は、寝返りや移乗の度に強い痛みを伴うため、痛みを取ること自体が大きな意味を持ちます。第二に、介護負担の軽減です。痛みなくおむつ交換や体位変換ができれば、ご家族や介護スタッフの負担は大幅に減ります。第三に、座位の獲得です。座れるようになるだけで、食事の摂取量や肺炎リスクが大きく変わります。

判断に迷うときは、必ずセカンドオピニオンを取ってください。初診の整形外科医と、別の骨折専門医では、判断が分かれることが珍しくありません。ごうホームクリニックでは、ご相談をいただければ、紹介状の準備や、複数の整形外科の比較情報をお伝えしています。

◎Q2. 認知症のある家族の骨折手術は、誰がどう判断すればよいですか?

ご本人が判断できない場合、ご家族が代理判断者になります。ただし、「ご家族としてどうしたいか」と「ご本人ならどう考えるか」は別の問いです。私たちはまず、ご本人が元気な頃にどんなことを大切にしてこられたかを伺います。「痛いのが何より嫌だと言っていた」「人に迷惑をかけたくないと口癖だった」といった言葉が、判断の手がかりになります。

具体的な進め方として、ごうホームクリニックでは①初診医の説明をご家族と一緒に書き起こす、②ご本人の人生観をご家族から聞き取る、③第三の整形外科医のセカンドオピニオンを取る、④家族内で話し合う場を設ける、という4ステップをお勧めしています。なお、認知症があっても、術後にリハビリで歩行を取り戻された方は実際にいらっしゃいます。「認知症があるから手術しない」と単純に決めつけるのは早計です。

◎Q3. 骨折後の在宅リハビリは、病院のリハビリと違いますか?

目的は同じですが、舞台と道具が違うため、訓練の内容は大きく異なります。病院のリハ室では、平行棒・歩行器・段差訓練台などの道具を使って訓練します。一方、在宅では、ご自宅の廊下、実際のトイレ、本物のソファや布団といった、毎日使う場所と道具がそのまま訓練の舞台になります。

たとえば、退院直後は「ベッドから車椅子への移乗」を、実際のご自宅のベッドで練習します。次に「リビングまで歩行器で移動」、その次に「トイレで便座に座る・立つ」と、生活動線に沿って段階的に進めます。訪問リハビリの理学療法士は週1〜3回、ご自宅に来てくれます。さらに、デイケア(通所リハビリ)と組み合わせることで、週5〜6日のリハビリ機会を作れるケースもあります。

◎Q4. 入院を続けるか、自宅に戻すか迷っています。判断の目安はありますか?

3つの目安があります。①コルセットや装具が完成しているか、②痛みが鎮痛薬で管理できているか、③通院手段と日中の介護体制が組めているか。これらが揃わない時期は、入院継続の方が結果的に安全です。

ご自宅で「動かない」「痛みで動けない」状態が続くと、入院していたのと同じように筋力が落ちます。つまり、「自宅 = リハビリができる」とは限らないことを理解しておく必要があります。逆に、3条件が揃った段階で、訪問診療医・訪問看護師・訪問リハビリの体制を組めば、入院の続きを在宅で進める「早期在宅移行」が可能です。

ごうホームクリニックでは、入院中の段階から退院前カンファレンスに参加し、自宅環境を見たうえで、退院日と訪問体制を組み立てるお手伝いをしています。退院日に「いきなり放り出される」状況を避けるためです。

◎Q5. 骨折で介護が重くなったとき、要介護度の見直しは必要ですか?

ほとんどの場合、必要です。骨折前が要介護1〜2でも、骨折後は要介護3〜4相当の介護量が必要になることが多いためです。市区町村の窓口(介護保険課)で区分変更申請を行えば、要介護度の見直しができます。

具体的な流れは次の通りです。①ケアマネ(または地域包括支援センター)にご相談、②市区町村窓口で区分変更申請書を提出、③訪問調査員が改めてご自宅で認定調査、④主治医意見書を主治医が作成、⑤介護認定審査会で判定、⑥結果通知(原則30日以内)。

ごうホームクリニックは、申請のタイミングのご相談から、主治医意見書の作成、訪問調査時に同席が必要な場合の対応まで、全工程でサポートします。要介護度が上がれば、訪問介護・訪問看護・福祉用具レンタルの利用枠が拡大し、ご家族の負担が大きく減ります。

◎Q6. 福祉用具のレンタルや購入は、訪問診療医に相談できますか?

はい、訪問時にいつでもご相談ください。ご自宅の動線(玄関・廊下・トイレ・浴室・寝室)を見ながら、ケアマネ・福祉用具専門相談員と連携して最適な組み合わせをご提案します。

レンタルできる代表的な福祉用具は、介護ベッド(背上げ機能付き)・車椅子・歩行器・歩行補助杖・スロープ・移動用リフトなどです。要介護度に応じて月額数百円から数千円で利用できます。一方、購入が必要なのは肌に直接触れるもので、ポータブルトイレ・腰掛け便座・入浴補助用具(シャワーチェア・浴槽手すり)などが対象です。年間10万円までが介護保険の対象で、自己負担は1〜3割です。

さらに、住宅改修制度(上限20万円、自己負担1〜3割)を使えば、手すりの設置・段差解消・引き戸への変更・滑り止め床材の張り替えができます。これらは「いつ・何から始めるか」が肝心です。退院前に決めておくと、自宅復帰直後から使えるので、転倒や寝たきり化のリスクが下がります。

◎Q7. 骨折前のように歩けない場合、外出は諦めるしかないですか?

そんなことはありません。「歩く」が難しくても「外に出る」を続ける手段はたくさんあります。

具体的には、①介護タクシー(車椅子のまま乗降可能、介護保険対象外だが料金は通常タクシーと同程度)、②福祉有償運送サービス(NPO等が運営、要介護認定者向け、安価)、③デイサービスの送迎を活用した外出機会、④訪問入浴サービスで外出と同等の気分転換、⑤ご家族による車椅子散歩(近所の公園・神社まで)といった選択肢があります。

「外出は無理」と諦めると、活動量と意欲が同時に落ち、寝たきりへの連鎖が加速します。逆に、月1回でも「家族と一緒に桜を見に行った」「孫の発表会に行けた」という外出機会があると、リハビリへの意欲が大きく上がります。ごうホームクリニックは、訪問時にご家族と「次の小さな外出目標」を一緒に考えることがあります。

◎Q8. 大腿骨頸部骨折は寝たきりになりやすいと聞きました。在宅で防げますか?

防げる可能性は十分にあります。鍵は「動かない時間を短くする」という考え方です。痛いから動かさない、ではなく、痛みを取って動かす方向に組み立てます。

具体的な在宅での動きは次のような段階を踏みます。退院翌日〜1週目:ベッドの端に座る練習を1日3回。2週目:足を床につけて立つ姿勢を10秒保つ。3〜4週目:歩行器を使って室内を数歩歩く。1〜2か月目:歩行器でトイレまで移動できる。3〜6か月目:杖や歩行器なしで短距離歩行を目指す。

これを支える体制として、訪問診療医による鎮痛薬の最適化(痛みを取ることが最優先)、訪問看護師による毎日の状態観察、訪問リハビリの理学療法士による段階的訓練、福祉用具のタイムリーな導入、ご家族への「無理に動かさず、でも動かない時間を作らない」声かけの指導が連動します。

ごうホームクリニックは、退院前から関わることで、退院初日から「動かない時間を短くする」設計を一緒に作ります。これが、大腿骨頸部骨折後の寝たきりを防ぐ最大のポイントです。

■ごうホームクリニックが骨折後のご家族と歩む在宅医療

記事冒頭のPodcastでは、「骨折は連鎖の入口 ―― 寝たきりにしないための3つの分岐点と現場の判断軸」というテーマで、ケアマネジャーと在宅医の対話形式で、ご家族の判断を支える視点を、現場の言葉でお伝えしています。

◎「動かさない」ではなく「動かない時間を短くする」

骨折後の在宅医療で、もっとも大切にしているのは「動かない時間を短くする」という考え方です。痛いから動かさない、ではなく、痛みを取って動かす方向に組み立てます。

そのために、訪問診療医による鎮痛薬の調整、訪問看護師による状態観察、訪問リハビリによる段階的な離床が連動します。

◎多職種連携で支える日々

ごうホームクリニックは、Medical Care Stationという多職種連携の仕組みを使い、訪問診療医・訪問看護師・ケアマネ・理学療法士・福祉用具専門相談員が情報を共有しています。ご家族が一度伝えたことが、関わる専門職全員に届く体制です。

訪問エリアは名古屋市16区と日進市・東郷町・豊明市・刈谷市・知立市。在宅療養支援診療所として24時間365日対応しています。

◎ご家族の「これでよいのか」という迷いを歓迎します

骨折後の在宅生活では、ご家族が「これでよいのだろうか」と迷われる場面が必ず訪れます。私たちはその迷いを、悪いことだとは捉えていません。

むしろ、迷いを言葉にしていただくことで、次の一手が見えてきます。気になることがあれば、訪問時にいつでもお聞かせください。

ごうホームクリニックは、名古屋の在宅医療を「ご家族と一緒に組み立てる医療」と考えています。

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ごうホームクリニック

〒468-0015 愛知県名古屋市天白区原1丁目1410 サンモール原103

TEL: 052-803-5005 / 受付: 平日 8:30〜17:30

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ごうホームクリニック 院長 伊藤剛

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院長 伊藤剛